短い2月があっという間に過ぎると、桃の節句がやってきます。
お雛様を飾り、子供と一緒にひなあられを食べるというかたも多いと思います。
そしてお雛様には菱餅(ひしもち)をお供えします。
菱餅は和菓子の一種で、古くから桃の節句に雛人形を飾る時に
供える行事食とされてきました。
最近ではプラスチック製のレプリカがお雛様の付属品として付いているケースも
多く実際に作って食べるという人は少なくなってきていると思います。
菱形の菱餅にはどのような意味があるのでしょうか?
菱餅の由来
菱餅が今の形となり、
桃の節句に飾られるようになったのは江戸時代からのようです。
桃色、白色、緑色の3色が一般的です。
地域によって5色や7色になっている餅を菱形に切って重ねる地域もあるようです。
元々は菱形の語源であり水辺に生えるヒシの繁殖力の高さから
子孫繁栄を願った説や、菱の実を食べて長生きした仙人にちなんで
長寿を願い菱形にした説、
室町時代の足利家には正月に紅白の菱形の餅を食べる習慣があり、
そこから変化した説など様々な説があるようです。
菱餅5色の意味
3色の菱餅は、上から桃色、白色、緑色の順番になっているのが基本のようです。
(緑、白、緑と交互に重ねる地域もあるようです)
3色の菱餅にはどのような意味があるのでしょうか?
謎を解いていきましょう。
桃色には、クチナシの果実が色付けに使われています。
クチナシの果実には解毒作用があり、魔よけ、健康の願いが込められています。
「桃の花」を意味しているといわれています。
白色には、ヒシの実が使われ先述した通り子孫繁栄、
そして長生きできる実とされ長寿への願いが込められています。
「雪の純白」を表しているといわれていることから、
清浄の意味もあるとされているようです。
緑色には、ヨモギや母子草(ははこぐさ)が使われています。
最近ではヨモギが一般的です。
どちらも解熱や解毒、目を良くするとされ、
厄除け、健康への願いが込められています。
「草木が生い茂る大地」を表しているといわれています。
5色になると桃色の上に黄色、橙色(だいだいいろ)を重ねます。
黄色には月や菜の花、橙色には太陽の意味があるとされているようです。
5色を使うようになったのは江戸時代より後のようですが、
はっきりとしたことはわかっていません。
黄色や橙色が使われるのは農作物の豊作を願ったといわれています。
旧暦の3月3日は農業を始める日という意味もあったようなのですが、
桃の節句は昔も今も、女の子の健やかな成長を願う日だということがわかりますね。
菱餅の作り方
ご家庭で菱餅を簡単に作る方法はないでしょうか?
ヨモギパウダーや食紅を使って簡単に菱餅を作る方法もあります。

また最近では、菱餅をイメージした菱形のゼリーや
お寿司を作って祝うケースもあるようです。
菱形のゼリー

菱形のお寿司

子どもと一緒に菱餅の意味を考えながら
菱餅や菱形のゼリーを作ってみるのも良いかもしれません。
1年に1回の雛祭り、楽しい思い出になると良いですね。