今回は、天の川を観測する方法についてお話していきます。
まずは「天の川」の正体についてお伝えします。
そのあとに、天の川を見る場所の条件や天の川を見る時間の条件、
天の川を見る方角の条件についてまとめています。
■ 天の川とは
一般的に、私たちが会話にする「天の川」は夜空を横切る光の帯のことです。
これを広い宇宙の話で言うと、「天の川銀河」のことになります。
私たちが存在している地球は、太陽系の中にあります。
その太陽系は銀河系の中にあります。太陽系がある銀河の名前が「天の川銀河」なのです。
夜空を見上げている時、私たちは「天の川銀河」を内側から見ていることになります。
昔の人たちは広い宇宙のことは知らないので、光の帯を川に見立てたというわけです。
参考までに、中国や日本の七夕のお話では、
織女星(織姫)と牽牛星(彦星)を会えなくしている川を天の川としています。
英語圏では「天の川」ではなく「Milky Way」と呼ばれています。
こちらは、ギリシャ神話からきているそうです。
ギリシャには、光の帯は「乳の環」としている神話があります。
最後のところだけを取り上げると、
「女神であるヘラの母乳が流れ出して、天のミルクの環になった」というものです。
■ 天の川の見方
星の位置が変わるのは、ご存知ですよね。
日本で言うと、春、夏、秋、冬の四季によって、光の帯の見え方が違います。
さきほどの宇宙の話で説明すると、地球がある太陽系は「天の川銀河」の
はしっこにあるので、見える角度がかなり違うのです。
さて、天の川の見方の話しに入ります。
天の川を見るには、場所、時間、方角の条件を知る必要があります。
いつでも、どこでも綺麗に見ることができるというわけではないのです。
それでは、場所、時間、方角の条件について、順番にお話していきます。
天の川を見る場所の条件
残念なことに、現在の日本は「天の川」を見ることが難しいようです。
その理由は、夜間照明やネオンなの人工の灯りが邪魔をしているからです。
研究発表によると、「日本人の約7割が天の川を見られない環境にある」と言われています。なので、天の川を見る場所の条件は「人工の灯りがない暗いところ」になります。
参考までに、関東で見える場所をSNSでの情報でチェックしてみました。
- 八ヶ岳周辺
- 群馬県の赤城山
- 栃木県の戦場ヶ原
- 長野県の志賀高原
- 離島(八丈島から南の島)
などです。
天の川を見る時間の条件
天の川を見る時間の条件は、空が完全に暗くなってからです。
日没後すぐではなく、深夜に近い時間です。
天の川を見る方角の条件
まずは星の名前を覚えてください。
七夕の彦星である牽牛星(けんぎゅうせい)はアルタイルという星です。
わし座の中で、もっとも明るい恒星です。
七夕のおりひめ星である織女星(しょくじょせい)はベガという星です。
こと座の中で、もっとも明るい恒星です。
アルタイルとベガとともに、
夏の大三角を形成しているのが「はくちょう座のデネブ」という星です。
つまり、天の川を見る方角の条件については、
夏の大三角の方角を探せば、その近くに「天の川」が見えるというわけです。
彦星とおりひめを隔てているので、アルタイルとベガの間に見える光の帯が「天の川」です。ざっくりとした方角になりますが、七夕(7月)の夜は「東」、8月は「南」となります。
■ まとめ
天体観測を趣味にしている人たちのお話では、
天の川を見る場所の条件、天の川を見る時間の条件、天の川を見る方角の条件が揃えば、
肉眼で見えるそうです。
用意するとしても、天体観測用の望遠鏡ではなく、双眼鏡で充分なんだそうです。
また、春でも秋でも冬でも見えているのですが、
明るさで言えば夏の天の川がベストというお話もありました。